OEMとは
OEM(Oracle Enterprise Manager)はORACLE純正のデータベース管理ツールです。 10gのOEMには Database Control と Grid Control(有償で専用のメディアからインストールします)の 二つの製品がありますが、違いはGrid Controlの場合は複数のDBに対して管理できるが Database Controlの場合は1DBのみと最初は考えてもらえばよいと思います。 (もちろんGridのみ可能な機能もあります) 本ページではDatabase Controlについて説明します。
OEMは表領域の追加や監視、バックアップ、パフォーマンスチューニング等ほとんどの管理作業を GUIベースで実行することができ、スケジューラの設定やリソースマネージャの設定等は コマンドラインで実施すると様々なパッケージの使用方法を理解する必要があるため、 このような設定を行う場合はOEMを使用するのがオススメです。
また、OEMはJavaで実装されており、9iまではDBCA等と同様のクライアントアプリケーションでしたが10g以降は WEBベースの実装と変更されています。9iまでと同様のクライアントアプリケーション版も Companion CD からインストール可能ですので、サーバに負荷をかけたくない場合はこちらの製品を 使用したほうがいいかもしれません(WEB版は当然サーバにWEBサーバを立ち上げることになりますので 非常に多くのメモリを必要とします。)
500 Internal Server Error
インストール方法
大まかに2種類のインストール方法があります。
1 DBCAからインストール
2 emca(OEMの構成設定ツール)で設定
※DBCAからの場合も内部的にはemcaでインストールを行っておりDBCAが実行しているのは 構成スクリプトの作成及びスクリプトの実行なので根本的には一緒です。
1 DBCAでインストール
この方法の場合はDBCAの画面より、新規インストール時か、既存DBにOEMを追加する場合は
「データベース・オプションの構成」から「Enterprise Managerを使用してデータベースを構成」を
選択するだけです。
2 emca(OEMの構成設定ツール)で設定
emcaは$ORACLE_HOME/bin配下に入っているツールです。10.2でemcaでインストールする場合は以下のコマンドを実行します。
emca -config dbcontrol db -repos create
以下、Windows版でインストールした例です。明示的に環境変数ORACLE_SIDを設定します E:\>set ORACLE_SID=ORCL102 E:\>emca -config dbcontrol db -repos create EMCAの開始 2008/07/26 22:18:06 EM Configuration Assistant, リリース10.2.0.1.0 Production Copyright (c) 2003, 2005, Oracle. All rights reserved. 次の情報を入力してください: データベースのSID: ORCL102 リスナーのポート番号: 1521 Listener.oraに記載されているリスナのポート番号を入力 SYSユーザーのパスワード: SYSスキーマのパスワードを入力 DBSNMPユーザーのパスワード: 新たに作成されるDBSNMPスキーマのパスワードを入力 SYSMANユーザーのパスワード: 新たに作成されるSYSMANスキーマのパスワードを入力 通知用の電子メール・アドレス (オプション): 通知メールの機能を使用する場合のみ入力 通知用の送信メール(SMTP)サーバー (オプション): 通知メールの機能を使用する場合のみ入力 ----------------------------------------------------------------- 次の設定が指定されています データベースのORACLE_HOME ................ E:\oracle\product\10.2.0\db_1 データベース・ホスト名 ................ WIN1 リスナーのポート番号 ................ 1521 データベースのSID ................ ORCL102 通知用の電子メール・アドレス ............... 通知用の送信メール(SMTP)サーバー ............... ----------------------------------------------------------------- 続行しますか。 [はい(Y)/いいえ(N)]: y 2008/07/26 22:18:37 oracle.sysman.emcp.EMConfig perform 情報: この操作はE:\oracle\product\10.2.0\db_1\cfgtoollogs\emca\ORCL102\emca_2008-07-26_10-18-06- 午後.logでロギングされています。 2008/07/26 22:18:39 oracle.sysman.emcp.EMReposConfig createRepository 情報: EMリポジトリの作成中(少し時間がかかります)... 2008/07/26 22:22:10 oracle.sysman.emcp.EMReposConfig invoke 情報: リポジトリは正常に作成されました 2008/07/26 22:22:20 oracle.sysman.emcp.util.DBControlUtil secureDBConsole 情報: Database Controlの保護中(少し時間がかかります)... 2008/07/26 22:22:38 oracle.sysman.emcp.util.DBControlUtil secureDBConsole 情報: Database Controlは正常に保護されました。 2008/07/26 22:22:39 oracle.sysman.emcp.util.DBControlUtil startOMS 情報: Database Controlの起動中(少し時間がかかります)... 2008/07/26 22:23:19 oracle.sysman.emcp.EMDBPostConfig performConfiguration 情報: Database Controlは正常に起動されました 2008/07/26 22:23:19 oracle.sysman.emcp.EMDBPostConfig performConfiguration 情報: >>>>>>>>>>> Database ControlのURLはhttps://WIN1:1158/emです <<<<<<<<<<< Enterprise Managerの構成が正常に完了しました EMCAの終了 2008/07/26 22:23:19インストール完了後、https://WIN1:1158/emからOEMにアクセスできます。
アンインストール方法
アンインストールする場合はemcaを使用します。コマンドについては 以下のとおりです。
emca -deconfig dbcontrol db -repos drop
※OEMはIPやHOST名が変わると正常起動できなくなります。この状態になるとアンインストールも処理できなくなるため変更前のIPとHOST名に戻してから処理を行います。
E:\>emca -deconfig dbcontrol db -repos drop EMCAの開始 2008/07/26 23:03:01 EM Configuration Assistant, リリース10.2.0.1.0 Production Copyright (c) 2003, 2005, Oracle. All rights reserved. 次の情報を入力してください: データベースのSID: ORCL102 リスナーのポート番号: 1521 SYSユーザーのパスワード: SYSMANユーザーのパスワード: SYSMANユーザーのパスワード: 続行しますか。 [はい(Y)/いいえ(N)]: y 2008/07/26 23:03:19 oracle.sysman.emcp.EMConfig perform 情報: この操作はE:\oracle\product\10.2.0\db_1\cfgtoollogs\emca\ORCL102\emca_2008-07-26_11-03-01- 午後.logでロギングされています。 2008/07/26 23:03:20 oracle.sysman.emcp.util.DBControlUtil stopOMS 情報: Database Controlの停止中(少し時間がかかります)... 2008/07/26 23:03:46 oracle.sysman.emcp.EMReposConfig dropRepository 情報: EMリポジトリの削除中(少し時間がかかります)... 2008/07/26 23:05:18 oracle.sysman.emcp.EMReposConfig invoke 情報: リポジトリは正常に削除されました Enterprise Managerの構成が正常に完了しました EMCAの終了 2008/07/26 23:05:19
TIPS
・OEMが使用するポートやURIがわからなくなった場合
$ORACLE_HOME/install/portlist.iniに使用するポート番号が記載されています。
URIについては以下のとおりです。
http://HOST名またはIPアドレス:ポート名/em
・ログについて
- EMCAのログ
⇒$ORACLE_HOME/cfgtoollogs/emca配下
- OEM稼動中のログ
⇒$ORACLE_HOME/HOST名_SID/sysman/log配下
$ORACLE_HOME/oc4j/j2ee/OC4J_DBConsole_HOST名またはIPアドレス_SID/log
マニュアル
Database ControlはGrid Controlのマニュアルに包括されています。
・マニュアル一覧
・Enterprise Manager 概要
・Enterprise Manager アドバンスト構成